7.クギ読み攻略の空しさ
そもそもホールコンピュータがなければ今のパチンコ店経営は無理です。クギ調整だけで経営を成立させていた時代は遥か昔のことであり、CR機が導入された時点でこの時代は終焉を迎えました。昔はクギの良い台にさえ座ればたいていは勝つことができました。チューリップ台などはその最たるものであり、ハネモノにしても羽がよく開放されるかどうかはクギ次第でした。
しかし、今のパチンコはどうでしょうか。クギの良い台に座っただけで勝てますか。クギが良ければ玉の減りはある程度までセーブできますが、最高のクギ調整の台で600回以上ハマるのとクギの悪い台で200回転以内で大当たりを引き、連チャンを続けるのとではどちらが楽に勝てるでしょうか。ホールコンピュータの存在とCR機にプログラムされた周期の存在を知らない人にとって、クギ読みができた方が負けが少なくなるというだけの話です。勝ちが増えるのではなく負けが少なくなるというところに悲しい現実があります。
最近はホール側もほとんどクギを調整しません。それは打っていればわかることです。クギが良い台は連日、その状態が続いています。又、どの台もクギに差がないホールも増えてきました。当たる時は500円で簡単に当たり、当たらない時は2000回も回しても当たらないのが現代のパチンコです。海物語シリーズは特にその傾向が強い機種として知られます。この状況でクギ読みをするのは時代錯誤も甚だしいということになります。
今、クギ調整を行うとすれば、それはイベントの口実にすぎません。どのホールもイベントと称して、特定機種の爆発デー、スペシャルデーなどを設けていますが、普段の日と何がどう違うのでしょうか。それは出玉還元率の違いです。イベントの日には通常よりも出玉還元率を上げた設定をホールコンピュータに仕組むホールが大半です。ホールによっては宣伝のために、あるシマのみ赤字設定にすることさえあります。つまり、イベント自体がホールコンピュータの存在を白日のもとに曝け出しているも同然なのです。
当然、客は店員にイベントの日と普段の日とではどう違うのかという質問をします。まさか「ホールコンピュータの設定が違う」と正直に答えるわけにもいきませんので、何らかの切り返しトークが必要となります。そこで「イベントの日は皆さんにいつも以上に出していただくため、クギを甘くしています」と苦し紛れに言うわけですが、そう言った手前、実際にクギ調整をしないといけません。イベントといえども全ての台が出るわけではなく、一部の台を爆発させるためには他の台に座る人に大損をしてもらう必要があります。クギが良ければ粘る人も増えますので一石二鳥となります。その結果、待ち受ける現実は恐ろしいハマリです。粘った甲斐があって当たることもあるでしょうが、その後、ドル箱を積み上げることができるかどうかの運命の鍵をクギが握っているわけではありません。 CR以前の時代はクギが良ければその台の出玉は増え続けることができました。しかし、CR機は大当たりしなければ出玉は減る一方です。
よく回るためなかなかやめられないという状況はホール側にとっても有り難い面があります。しかし、クギが良いと客が粘りやすくなり、ハマリの台でも当たりの周期に入ることもあります。そして、それが爆発に転じれば客側にメリットがもたらされます。しかし、爆発するかどうかの運命はクギによって支配されるものではないのです。
最強攻略法「海殺しX」は勝ち続けるために必要な本質的な事柄に言及し、如何なる状況においても運ではなく実力で当たりを引く技術を教示します。
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