ハイパー海物語INカリブ攻略 その2
Secret of the Chain of Sea Story Series
「太陽に吠えろ」、「ウルトラマン」、「仮面ライダー」、「必殺仕事人」(偶然にも全てパチンコの機種になっています)など、大人向け子供向けを問わず、シリーズものの人気ドラマには必ずと言ってよいほど、今までのヒストリーに重みを持たせる仕掛けが仕組まれています。
たとえば、強敵の攻撃の前にピンチに陥った仮面ライダーを過去の仮面ライダーが救援に駆けつけるというような、今までのシリーズを視聴していたファンを熱狂させるノスタルジックな演出が仕掛けられ、それが長寿番組に発展していった秘訣でもありました。
海物語シリーズもパチンコ業界では長寿機種に分類されます。しかも、単に息が長いだけではありません。アイデアに尽きて何年ぶりかで過去の機種を復活させる他のメーカーとは違い、SANYOは絶え間なく海物語シリーズをアップグレードさせます。そして、いつの時代も海物語の最新機種が人気ナンバーワンの座を獲得するのです。「一番人気」という最高のステータスを常に堅持していることは賞賛に値します。
随分とSANYOのことを絶賛していますが、私どもはSANYOの回し者でもなく、むしろ最強攻略法「海殺しX」を販売している関係上、SANYOから見れば、ハイパー海物語INカリブにおけるビートのような「宿敵」かもしれません。一方、別の見地に立てば、些細なことはともかく、このようなホームページを開設して、SANYO人気爆発の一翼を担っているわけですからある意味では「友軍」なのかもしれません。それはともかく、SANYOに他のメーカーにはない凄味があることは、紛れもない事実です。
他のメーカーは凝りに凝ったリーチアクションの開発に躍起となりますが、1分間も待たされ、面白くもない派手な演出を無理やり見せつけられた挙句、最後の最後で外れてしまうという結末はパチンコファンの不快指数を最大限に引き上げます。
SANYOの開発者はきっとこの事実に気づいたのでしょう。初代海物語は奇しくも当倶楽部の攻略キーワードと同じ「発想の大転換」で勝負に出ました。他機種とは逆に「シンプル性」を重視し、派手なリーチアクションを控える代わりに「意外性」を売り物にして、鮮烈なデビューを飾りました。海物語シリーズはノーマルリーチでもそこそこに当たります。高信頼度の魚群を外してうなだれていると、その直後に魚群が再来して当たることも珍しくありません。「ノーマルリーチばかりで運が悪いな」と思わせてから、突然、走りで当たることもあります。打つ人は少し得をした気分になります。
Tradition & Renewal
ハイパー海物語INカリブでもシンプル性と意外性はともに継承されていますが、今回は従来になかった要素とも言える「迫力」が加味されることになりました。
「伝統」と「刷新」という相反する二つの概念を共存させるところがSANYOの天才たる所以であり、ここに他のメーカーにはないスケールのでかさを見る思いがします。多彩なのリーチアクションを苦心の末に考案し自慢の名機を発表するも数ヵ月後には飽きられてしまう他のメーカーとは異なり、海物語シリーズをファンの「生活の一部」にしてしまう魔力がSANYOにはあります。常にファンに強烈なインパクトを与え続け、この商品コンセプト(伝統と刷新)をロングランで具現化するSANYOの発想には、他業界の人にも学ぶところが多いと言えるでしょう。
昔、人気ドラマに「赤い衝撃」、「赤い運命」、「赤い絆」・・・というシリーズ作品がありました。これらは「赤いシリーズ」と称され、山口百恵、三浦友和、宇津井 健といった人気キャストを何度も登場させ、似たような雰囲気の中に今までとは違うストーリー展開を織り交ぜ、お茶の間の視聴者の目をテレビに釘付けにさせました。視聴者は「次の赤いシリーズのタイトルはどうなる?」、「次作の新キャラクターは誰?」「前作に出演しなかった○○が復帰するのはいつ?」と勝手に噂を盛り上げてゆき、次の作品がなんであろうと、もう見ないわけにはいかない心境になったものでした。
今、インターネット上の数々のブログや掲示板を拝見しますと、海物語シリーズをめぐり、これと寸分たがわぬ同じ現象が起きていることに気づかされます。
- 「ハイパー海物語INカリブは海賊がテーマだとするとガイコツ船長復活?」
- 「サムが海賊姿で出てくるのかも」
- 「今度のマリンの水着はどうなる?」
- 「新演出としてマリンが歌を歌うなんていうアイデアはどう?」
と多くの人々が評論家に化け、大はしゃぎで他愛もない予想を楽しんでいます。
このようなファンのアイデアを採用したのかどうかは知りませんが、ハイパー海物語INカリブでは連チャンが続くと大当たりラウンド中に本当にマリンの歌を聴くことができます。5連チャンでマリンが“Summer days”を歌い、さらに、10連チャンではワリンが“Shiny star”を歌い、15連チャンではなんとマリンとワリンが“Dance&Chance”をデュエットします。しかも、驚いたことにマリンもワリンも結構歌がうまい。これもハイパー海物語INカリブが皆様に送るサプライジング・プレゼントです。
これらの歌はハイパー海物語INカリブのためだけにレコーディングを行ったと聞きます。これには当然の如く相応の出費が伴います。ミスマリンコンテストも定例行事化しましたが、このようなイベント一つとっても実際は想像以上の出費がかかるものです。又、SANYOはCMまで作って宣伝しますので、その制作費も相当な額にのぼります。
Requirements for Leading Company
どの業界においても、三流企業というものは、とかく予算をケチり、魅力のない製品を製造し、それが売れないために、次の商品開発でも予算をケチるという悪循環を繰り返します。一方、SONYのような世界に誇る我が国のトップ企業は莫大な予算をかけて傑作商品を開発し、企業ブランド+商品力で市場を独占状態にしてしまいます。売れるからこそ次の商品開発にも膨大なコストをかけることを厭わないのです。SANYOもパチンコ機メーカーのトップであるが故に、膨大な予算をかけ、一切の手抜きなしに人気機種を製造します。きっと、その後にがっぽり稼いで回収しているのでしょう。
我が田に水を引く如き行為に恥じ入りますが、当倶楽部も最強攻略法「海殺しX」の開発には膨大なコストを投じました。海物語シリーズがここまで長寿でなければ、こんなことは絶対に不可能でした。歴代海物語がシリーズものであり、機種内部に搭載されたプログラムの根幹部分をいじることなく次々と新作を発表するため、企画〜開発〜販売がなんとか間に合ったというのが実情です。
真の攻略法の開発には、膨大なコストのみならず膨大な時間をも要するのです。通常の機種であれば、攻略法が完成する頃にその機種はもうホールから姿を消しています。
又、真の攻略法とは、意外と地味なものでもあります。CR各機種に意図的に仕組まれた爆発サイクルの傾向を分析し、それを狙い撃ちするのが最も一般的な(まともな)攻略法ですが、残念ながらインターネット上には、セット打法とキズネタの真実で述べた通り、紙切れ一枚の架空の(偽)攻略法の数々が乱舞し、人々を困惑させているのが実情です。この手順を踏みさえすれば100パーセント当たるというセット打法なんてものは裏ロム以外には有り得ないのです。セット打法を信じる一部の方々には本当に目を覚ましてほしいと願っています。(※「誘発打法」、「強制大当たり打法」など名称は違っても「手順をこなせば当たる」と吹聴しているものは全てセット打法です)
さて、人気機種の寿命が長かった昔はひとたび真の攻略法を手にすればいつまでも勝ち続けることのできるパチプロ天国の時代でした。しかし、海物語シリーズをご覧になってもおわかりのように、新海物語までは機種寿命が長かったと言えますが、2005年発表の大海物語以降は次々と新作をリリースしない限り、さすがのSANYOももたなくなっています。
大海物語約1年、スーパー海物語約1年、スーパー海物語IN沖縄約半年、これが海物語シリーズ各機種の市場参入から後継機種誕生までの期間です。競争激化に伴う不可避の宿命とも考えられますが、SANYOが新機種を売り出せば、最人気故にホール側も導入しないわけにはいかないため、「作れば作るだけ売れるから作り続ける」というSANYOの思惑もあるかもしれません。
いずれにせよ、短期間で次々と新作をリリースするためには、見た目の印象はともかく内部的な仕様に手を加えぬまま新作を売り出す必要に迫られます。プログラムの大幅な変更にはそれなりの時間がかかるからです。ここにもハイパー海物語INカリブの攻略のヒントが隠されています。
それにしても大変な時代に突入したものです。今後、スーパー海物語IN沖縄はしばらくの間、ハイパー海物語INカリブと並んで現役機種であり続けるでしょうが、当倶楽部ではその余命は2008年3月頃までと読んでいます。(今のうちにスーパー海物語IN沖縄で稼いでおいて下さい! 4月以降もホールから突然姿を消すことはないでしょうが、台の数が減少し、打つ人も少なくなれば、爆発頻度も落ちてしまいます)
残念ながら、確変突入率が60パーセントと高く、真の攻略法さえ使えば、いともあっさり料理できたスーパー海物語がそろそろ風前の灯となることでしょう。これはWindows Vistaが出たために、VistaとXPだけが現役のOSとなり、まだそれほど古いとは思えないWindows2000までがMe、98とともに過去の OSに成り下がってしまったことを彷彿させます。
さて、今回デビューするハイパー海物語INカリブはSANYOの目論見通り、海物語シリーズのファンをお披露目前から熱狂させています。盛り上がりもここまで来ると、人々はもはやハイパー海物語INカリブを打たないわけにはいかなくなり、必然的にハイパー海物語INカリブがまたしても日本中のホールを席巻することになるでしょう。どのホールも他店に負けないために、なけなしの金をはたいてハイパー海物語INカリブを多数導入することが予想されます。必然的に他機種にその皺寄せがくることは目に見えています。人気機種ならば派手に出さなければなりません。
「出す」ということは「ホールコンピュータ(ホルコン)の設定を甘くする」ことを意味します。 (※ホルコンのことをよくご存知ないない方は当倶楽部のホームページはもちろんのこと、他の同業者の開設しているホルコン関連のホームページも多数ご覧になり、現実を直視され、その知識を一層深めていただきたいと思います)
人気機種、ハイパー海物語INカリブをせっかく導入しても出さなければ他店に客をさらわれてしまいます。最初は赤字覚悟で、いや正確に言えば、敢えて赤字になるようにハイパー海物語INカリブが並ぶシマのホルコンを甘めに設定し、客寄せ目的の出血大サービスを行うはずです。どの台もフロアの上にドル箱が山積みされ、足の踏み場もないようなホールも出現するでしょう。誰かが誤って他人の積んでいるドル箱を蹴飛ばしてしまい、それが原因で殴り合いの喧嘩にでもなれば、それこそ文字通りの「出血サービス」となります。
冗談はさておき、平均的なパチンコファンというものは、そこそこの勝ちが何度か続くだけで、連日のようにホール通いを続けるものです。このような常連客を作り出してこそホール経営が成り立つのです。このような固定客を如何にして生み出すかが経営者、店長に課せられた使命でもあります。
しかし、いつまでも大赤字を続けるわけにもいかず、かといって急にハイパー海物語INカリブを出さなくするわけにもいきません。ホールもハイパー海物語 INカリブのホルコン設定を徐々に導入時よりも辛くしてゆくことになるのでしょうが、それでも、他機種よりはハイパー海物語INカリブの方を活気付かせない限り、パチンコファンのマジョリティーの反感を買ってしまいます。スーパー海物語、スーパー海物語IN沖縄の導入時もそうでしたが、ハイパー海物語IN カリブの登場により、間違いなく他機種を打つ人にその皺寄せが来ます。これは胸をはって断言することができます。ここにもハイパー海物語INカリブ攻略の鍵があります。
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パチンコルネッサンスの仕掛人